今回は25cm程の中皿の紹介です
- 粘土:半磁土 1kg
- 紐作り
作陶は亀板に乗せてやります。 内部の作陶をまるく均一に。 ヘヤードライヤーなどで半乾きに乾燥させて、まず、内側周辺にレースなどを当て、黒化粧土で蚊帳目をつけます。
蚊帳目技法
蚊帳目をつける時は、ろくろを絶対に回してはダメです。 ろくろを回すと、レースの下に化粧土が入りこみ、蚊帳目が浮かび上がりません。黒化粧土は、ちょっと固めにして、刷毛でレースの上から、置くようにします。 表面の光沢がなくなったら、レースを外します。 蚊帳目が出ます。
墨流し
黒化粧土をバックに、白、ピンク、青の化粧土を垂らしてます。黒化粧土は、通常よりも水を加えて薄めにします。 この方が流れ易くなります。
黒化粧土を塗り、そこに3種類程の化粧土を垂らし、すぐに、上下左右に傾けたり、回転させたりします。明暗が出てきます。ゆるゆるの化粧土が流れて混ざり合い、綺麗な文様がでました。
亀板に乗せておくのはこの作業の為です。 亀板の上であれば、作品を変形させることなく作業が出来ます。
ちょっと混ざり合い過ぎの感じです。必要であれは更に、色化粧土を追加をして垂らしてもOkayです。 でも、やり過ぎは禁物。
この技法では、同じものは絶対に作れません。 これぞ世界唯一の作品です。
紐作りで作陶を終え、内側は墨流しと蚊帳目で完成です。 外側は一晩乾燥をさせ、半乾きになったら、電動ろくろで削り作業をします。 この時のポイントは、全体の厚みを均一にします。 大きな作品ですので、特に高台などに土が残らないように、しっかりと削ります。
飛びカンナ
削りが終わると、乾燥が進み更に固くなってきます。電動ろくろに乗せ、止め土で固定し、黒化粧土を塗り飛び鉋を当てます。 乾燥が進んでいますので、黒化粧土を塗り、点描用の飛び鉋をかけました。ほぼ、完璧な仕上がりです。
作陶のまとめ
削りを施し、作陶が完了した段階で、650グラム。更に細部を見直し、厚いところを徹底して削りましたので、最終の重量は、500グラムになりました。 ちょっと余談ですが、人間の感性は不思議で。 第一段階で、削り終えて持って見ると、重心が下にあり、非常に重い感じです。
そこで手の感触で、銅や腰の部分に厚みを調べると、それほど厚くは感じません。 そこでノギスで測ると、ちょっと厚いかなと感じる部分が7mm、口縁のちょっと薄いかなと言う部分が3mmです。 指で挟んで、だいたいの厚みを図るのですが、5mmくらいかなと思うと10mm近くあったりします。やはり、もっと感性を磨いていかないと良い作品は出来ません。
本焼き
大きな歪もなく、良い仕上がりになりました。
- 最終スペック
- サイズ: 200mm(直径)、 40mm(高さ)
- 重 量: 432グラム
- 釉 薬: 石灰透明
- 粘 土: 半磁土
- 技 法: 紐作り
- その他の特徴 内: 白、ピンク、青化粧土の墨流し、内外: 黒化粧土 蚊帳目 裏: 黒化粧土 飛び鉋文様
裏側の飛びかんなの文様が最高に綺麗です。
特に中央部の文様は、細かな飛びの文様が出て綺麗です。
陶芸好きな人には、一度試される事をお勧めします。 ちょっと、こてこてと言った感じですので、蚊帳目はなしで墨流しだけでも良いでしょう。
飛びカンナはある程度慣れが必要ですが、墨流しは誰でも出来ます。
墨流しの文様が綺麗に出ました。 全体が黒ですので、もう少し、ピンクと白の量を増やしたら、コントラストが付き、面白かったと思います。